日曜日の放埒

先週の日曜日は放埒に明け暮れた一日だった。

放埒と言っても、酒や女に溺れていたわけではない。それ以外に言葉が思いつかなかっただけである。

 

一日の始まりは書店だった。週末、職場のビンゴ大会でQUOカードをいただいたので、それを元手に豪遊しようと意気込んでいた。

書店散策は一人より誰かと一緒の方が楽しいので、友人Kを誘い船橋ジュンク堂へ。

千葉では津田沼丸善と雌雄を決する巨大書店であるが、ここで書籍を買うのは初めてだった。

まずは友人の書籍選びである。QUOカードを手にした私は羽振りが良い。文庫一冊を奢ることにした。友人が手に取ったのは湊かなえの『未来』。友人は生粋の湊かなえファンなのであった。

次に私の番。まず安部公房『飛ぶ男』。2024年は氏の生誕100周年で新潮社が張り切ってフェアを開催している。生誕〜年にはあまり興味がないが、氏の遺作ということ、作品のあらすじに惹かれ買うことに決めた。

それから種村季弘『驚異の箱』。これはただただ面白そう。幻想文学好きの私にはたまらない。最近まで氏の名前を存じ上げなかったのだが、SNSでの澁澤龍彦論争の流れで、興味を持ったのである。

最後に高峯一愚『カント講義』。非常に有名なカント解説書である。カントに憧れる者として、これは読まなければならない。その前に原典をあたるべきだということは、私も承知している。もう少しだけ遠回りさせてください、カント大先生。

 

書店を後にし、マクドナルドで昼食をとった。いつ、何を食べても美味しい。

 

次は浦安のマンション街を抜け、海沿いの公園へ。気持ちの良い風景。ここに住めたら幸せだろうな。友人はギターを弾く。私は寒さのあまり小走りで円を描き続ける。終わらなければよいのに。

 

私が寒さにギブアップする頃には日が暮れ始めていた。車に駆け込み、鼻をかみ、地元へ向かう。出口で駐車料金を払い忘れていたことに気がつき、急遽Uターン。ここの駐車場にはロック板も停止バーもなかったのである。こんな治安の良い街があってたまるか。住まわせてくれ。駐車料金は100円だった。なんなんだこの街は。

 

ドタバタしながら地元への帰路で友人Yを誘い、三人で近所のバルへ。ここのバルは何を食べても美味しい。嫌いなものさえ美味しく食べられる。

 

すべてのありきたりな日常に感謝を。